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読書:アメリカで起こっていること--堤未果のルポルタージュ--
2008/04/29 (Tue) 20:38:21
アメリカの肥満人口で増え続けているのは貧しさ故に食事内容を選べない貧困層だという事はどこかで読んで知っていた。しかし、堤未果のルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)(2008年1月)を読み進めるにつれてもっと悲惨な現状を知ることになった。

高過ぎる医療費と複雑な民間医療保険制度(アメリカでは公的な医療保険は無いに等しい)のせいで、家族の一人が一度でも病気にかかれば中流階級が借金地獄で貧困層に転落するのはあっという間だという。

年々上昇する大学の授業料と削減される奨学金予算、家庭の経済状況により大学への進学を断念せざるを得ない高校生の携帯電話に「君の夢を叶えてあげるから話をしよう」と軍のリクルーターから熱心な勧誘電話がかかってくる。2002年にブッシュ政権の施行した「落ちこぼれゼロ法」の下に、裕福でない学校は助成金と引き換えに生徒の個人情報を軍に渡さざるを得ない。軍はそんな学校の生徒達の家庭の経済状況まで知り尽くしているので最も苦しい立場にいる生徒を的確にターゲットにできるのだ。
・・・この境遇じゃ将来が心配だろう。君は諦めていた大学へ行くことができる。大学費用は全額軍が出してあげるし、望む職種の職業訓練も受けられるから将来の就職活動にも有利だよ。軍の医療保険もつく。なに、危ないところへ行きたくなければ「予備兵」に登録すれば大丈夫・・・
現実には巧妙なからくりがあって本当に大学に行ける兵士は全体の35パーセント、卒業できるのはわずか15パーセント、気が付いたらイラクの戦場の最前線へ送り出されている。
甘い「嘘」をついて高校生を勧誘するリクルーターも必死だ。何故なら与えられたノルマをこなして新人を入隊させることができなければ、自分自身が前線に送り出されることになるのだから。

戦争に行かされるのは軍隊の兵士ばかりではない。
多重債務に苦しむ民間人に、”派遣会社”から「いい仕事がある」と持ちかけられる。
トラック運転手や整備士等の仕事で高額な給料を約束すると言う。ただし、勤務地はイラク。労働環境は劣悪で、銃弾が飛び交う中に身を守る装備もない。米兵がペットボトルの水を飲むのに派遣社員は米軍の劣化ウラン弾で汚染された現地の水を飲むように指示される。死んでも民間人は戦死者に数えられることもない。万一生きて帰れたとしても、後遺症で人生は台無しになり前より酷い借金地獄に苦しむことになる。
「これは戦争ではなく派遣という純粋なビジネスです」と言い切る民間戦争請負会社は米軍の下請けで利益を出している。またビジネスには国境はない。標的にされるのは人種、性別、国籍すら問わぬ世界中の経済的弱者という「貧困ビジネス」が成り立っているのだ。自分と家族の生活のため条件を飲むより他に選択肢がない経済的弱者に付け込んで搾取する、利潤追求型の「戦争の民営化」の始まりだ。

日本でも民営化の波が押し寄せ、格差社会が広がっている。
医療や教育等の基本的権利に関する部分への保障を切り捨てたらどんなことになるか、これらの事実から学ぶべきではないか。遠い国の関係のない話ではないのだ。
日本国籍を持つ日本人も苦しい生活のためイラク戦争へ行った。日本国憲法25条(人間らしく生きる生存権)と引き換えに戦争を選んだと話す。

同著者の報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか(2006年4月)も合わせて読んだが、心の痛む内容だった。

しかし著者は、アメリカの高校生がインターネットを使って軍の学校への介入を阻止した例などを挙げ、一貫して真実を知ることと諦めないことが重要でまた希望でもあると伝える。

「無知や無関心は『変えられないのでは』という恐怖を生み、いつしか無力感となって私たちから力を奪う。だが目を伏せて口をつぐんだ時、私たちは初めて負けるのだ。そして大人が自ら舞台を降りた時が、子どもたちにとっての絶望の始まりになる・・・(中略)あきらめさえしなければ、次世代に手渡せるものは限りなく貴い」 (「ルポ 貧困大国アメリカ」あとがきより引用)

kerorou★がこの記事で紹介できたのはほんの一部だ。是非、この新書は買って読む価値があると思う(と言いつつ、自身は今のところ図書館で借りていますが・・・)。


----イラク帰還兵からのメッセージ----

敵を間違えてはいけない。
敵は政府でも大企業でもマスコミでもない。
最大の敵は、自分達国民の無関心と無知と諦めなのだ。
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コメント
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自分たちの知らないところでそんなことがおきていrとは知りませんでした。


ただどんな綺麗ごとを言っても絶対にどこかには犠牲を払わなくてはいけません。

現世に生きる限り何らかの犠牲を払い捨てていくことが生きるということだと思います。

ただどんな犠牲を払うかということはかえることはできるはず。
犠牲の対象が人間でなくなる日が早く訪れることを願います。

もっとも、そうなってしまったら人間が人間でなくなるのかもしれませんが笑



kerorouをkeroruだと思い込んでました!!

名前を間違うなど失礼の極み・・・本当に申し訳ない!!
by: フクソン * 2008/05/01 23:46 * URL [ 編集] | page top↑
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「平和には犠牲が必要」という発想は思いつきもしなかった。
そして、できれば一生そんな台詞は言いたくない。
電撃文庫「キノの旅」第一巻「平和な国」参照。

自分は何もわかっちゃいなくとも平気で奇麗ごとを言うし、求めていくんだろうと思います。
by: kerorou★ * 2008/08/23 20:23 * URL [ 編集] | page top↑
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